お悩み・気になる症状がある方
乳房のしこりに触れます。何科を受診すればいいですか?
外科または乳腺外科で診察を受けてください。事前に、しこりの大きさや場所、気付いた時期、痛みの有無、しこり以外の症状、前回の生理の期間などをまとめておくと、診察の時に役立ちます。また、保険証やマイナンバーカードを忘れずにお持ちください。なお、乳がん検診などの受診は、異常に気付くのが遅れ、正確な診断ができない恐れがあるため、症状が見られる時は控えてください。
乳房の違和感や痛みを感じます。これは、乳がんによる症状でしょうか?
しこりがあるかないかによって異なりますが、症状が違和感や痛みだけという場合は、女性ホルモンの変化や月経周期が原因となる乳房の張り、または神経痛などが考えられます。そのため、問題のないことが多いです。ただし、痛みをきっかけにしこりが見つかった乳がんもあるので、他に、しこり、ひきつれ、変形などが見られないかお確かめください。
不安がある時やご自身で分かりにくい場合は、お気軽に当院をご受診ください。
乳首から汁が出て、乳輪部分に痛みを伴うたんだれが見られます。乳がんの可能性がありますか?
乳房に変形やしこりがなく、腋下から乳首や乳輪部分も含めた乳房に生じたただれ、湿疹(乳首から分泌が見られる場合もあります)、発⾚、アザなどの大半は、皮膚の病気です。また、頻度は低いもののパジェット病という乳がんの可能性も考えられます。
家族が乳がんになりました。遺伝することはありますか?
全乳がんのうち、約5〜10%が遺伝性だと言われています。ただし、乳がんを発症したご家族の性別、年齢、乳がんのサブタイプや、ご自身との血縁関係や人数の多少などでも遺伝の影響に違いがあります。また、乳がんだけでなく、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がんなどの関与も考えられています。遺伝性の乳がんでは、遺伝性乳がん卵巣がん症候群が1番多いのですが、その他にも乳がんの遺伝に繋がる疾患があります。
診察の時に、ご家族の詳しい既往歴などをお伝え頂くことで、乳がん検診の進め方や遺伝要因についてご説明が可能です。
診療について知りたい方
妊娠の可能性がある場合、乳がんを調べるために診察や検診などを受けることはできますか?
妊娠が考えられる場合は、お腹の赤ちゃんが被ばくをしないようにマンモグラフィを受けることができません。そのため、微細な病変などを見つけにくくなる恐れがあり、迅速な対処や治療が欠かせない乳腺膿瘍や乳腺炎などでなければ、先に妊娠検査を行って受診する方が良いでしょう。
ただし、乳がんの可能性が高い血性の分泌やしこりなどの症状が見られる時には、妊娠期間中でも受けられる乳腺エコーなどの検査を実施します。
検査を受ける時に、どんなことに気を付けたらいいですか?
体調・服装・アクセサリー・髪型・その他の5つに分けてお伝えします。
- 乳腺エコーやマンモグラフィ検査を受ける時に、痛みや緊張から調子を崩すことがあります。迅速な対処や治療が欠かせない乳腺膿瘍や乳腺炎などでなければ、体調が優れない方や睡眠不足の方は、コンディションの良い日にお受けください。
- 診察や検査を円滑に行うため、上半身のみ下着を外して検査着に着替えて頂きますので、上下が分かれた服装でご来院ください。また、乳腺エコー検査のゼリーが付かないように、ハイウエストのボトムスはお控えください。なお、マンモグラフィ検査の時にハイヒールの靴を脱いで頂くことがあります。
- ネックレス、イヤリング、乳頭や耳のピアス類はお外しください。眼鏡は、マンモグラフィ検査を受ける時だけ外してください。なお、アンクレットやブレスレット、指輪はそのままで構いません。
- 乳腺エコーは、検査台に仰向けに休んで頂き、頭を軽く後ろに反らして行います。髪をまとめる場合は、肩の辺りか耳より高い位置でなさってください。
- 制汗剤やボディシートなど銀を含む製品や、ラメ入りのパウダーや乳液などは、マンモグラフィの画像に影響を与えるため、上半身には使わないようにしてください。日頃からお使いの方は、お風呂に入った時に洗い流してからご来院ください。
検査・乳がん検診について知りたい方
マンモグラフィ検査は痛みがあると言われました。痛みを軽くすることはできませんか?
検査で乳房を押さえる時の痛みは個人差があり、女性ホルモンの変化で乳房が張る時期に痛みを感じやすいと言われます。生理が始まって3日目〜排卵前の期間にマンモグラフィ検査を受けることをお勧めします。また、深い呼吸を行い、身体の力を抜くと痛みを軽くすることに繋がります。
マンモグラフィ検診を受けるのは何歳からがお勧めですか?
日本では、40歳以上での受診が勧められています。
日本だけでなく、海外においても、マンモグラフィ検診を40歳未満で行うことは、マイナス面を補うだけの利点がないため、勧められていません。
40代を対象としたマンモグラフィの効果は、肯定的な結果と否定的な結果の両方があること、70歳以降では効果があると断定できないことから、海外では、大半が50〜70歳までとされています。
日本の場合、乳がんにかかる方が40代でピークとなるため、40歳以上と規定されています。
また、⽇本⼈⼥性の寿命は長く、⾼齢者の罹患率があまり低下しないことから、75歳くらいまでマンモグラフィ検診を受けることが適切であると言われています。
乳がん検診の結果、精密検査が必要との通知が届きました。乳がんということでしょうか?
乳がん検診を受けて精密検査まで行った方のうち、実際に乳がんだった割合は5%程度です。
精密検査により乳がんが否定された大半は、正常な部分が乳がんを否定できないしこりや異常として偶然映し出されたものです。これらは、乳腺エコーで用いるプローブの乳房との⾓度や当て⽅、マンモグラフィ撮影時の乳房の圧迫の程度や広げ方などによって、見られることがあります。そのため、過度に不安に思う必要はありません。
ただし、詳しく調べなければ判断できないため、忘れずに精密検査をお受けください。