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マンモグラフィについて

マンモグラフィとは

マンモグラフィとは
マンモグラフィは、レントゲンを用いて乳房の微細な病変を発見する検査です。乳房を挟んで厚みを減らして伸ばした状態で撮影することで、一般的なレントゲン検査では映し出されない変化が確認できます。
検査のために乳房を圧迫することは、病変部の発見に繋がるだけでなく、放射線の被ばくを減らすためにも有効です。マンモグラフィ検査は乳房の圧迫方向を変えて見逃しのないように行い、通常、上下左右、斜め方向から撮影します。
マンモグラフィは、初期乳がんのわずかな石灰化や、乳がんによる小さなしこりなどへの感度が高いため、乳がん検診における早期発見に有効で、欠かせない検査の1つと考えられています。

マンモグラフィの有効性

マンモグラフィ
近年の欧米における乳がん死亡率の減少には、定期的なマンモグラフィ検診の効果が小さくないと言われています。欧米人は一般的に乳腺に脂肪が多く、マンモグラフィによって極小のしこりでも見つけやすいという特徴があります。一方、日本人の場合、乳腺の脂肪は少なく、実質が多い高濃度乳腺の方が多いものの、50歳以上では検診の有効性が高まると見られています。加えて、初期乳がんにおける石灰化の発見にはマンモグラフィが欠かせないため、乳がんを早期に察知するためにもマンモグラフィの必要性は高いと言えます。

高濃度乳腺とは

乳房の組織は、乳腺と脂肪の2つに分類されます。マンモグラフィ検査では、乳腺は白く映り、脂肪は黒く映るので、乳房の乳腺組織が多い高濃度乳腺の方では、画像全体が白く見えます。また、がんが発生した場合も画像上白く映るため、高濃度乳腺では、乳がんとの鑑別が簡単ではありません。高濃度乳腺の方を対象として、乳がんの早期発見を目指すには、マンモグラフィだけでなくエコー検査の両方を行うことが重要です。

高濃度乳腺の問題点

乳がんの発症率が上昇する

高濃度乳腺であっても、通常、年齢と共に乳腺が脂肪へと変性するため、乳房に占める脂肪の割合が増えていきます。現時点で原因は不明ですが、乳腺の変化が少なく高濃度乳腺が持続する場合、そうでない方に比べて乳がん発症率が高まる傾向があると言われています。そのため、乳がんのリスクを理解し、初期のうちに見つけるためにも、ご自身が高濃度乳腺の乳房であるかを知ることが大切です。

病変の発見が難しい

高濃度乳腺の場合、乳腺も乳がんの病変部もマンモグラフィ上で白く映るため、正常組織とがんとの鑑別が難しくなります。

マンモグラフィと超音波検査の違い

マンモグラフィ検査は、専用の装置で乳房を押さえて、その厚みを減らし、できるだけ伸ばしてレントゲン撮影を行います。エコー検査は、超音波が乳房内部の組織に当たって反射する様子を画像化します。そのため、それぞれの検査によって、見つけやすい病変や区別をつけやすい組織の違いがあります。また、マンモグラフィはレントゲンを用いて撮影をするため、少量の被ばくが生じます。

  マンモグラフィ検査 超音波(エコー)検査
診断方法 画像上、脂肪組織が黒く、乳腺組織は白く見えます。また、病変は白く見えます。したがって、脂肪の多い乳房では、画像全体が黒くなり、白く映る病変を見つけやすくなります。 一方、乳腺の多い乳房では、画像全体が白くなり、白く映る病変の発見が難しくなります。 画像上、脂肪組織が黒く、乳腺組織は白く見えます。また、病変は黒く見えます。したがって、乳腺の多い乳房では、画像全体が白くなり、黒く映る病変を見つけやすくなります。 一方、脂肪の多い乳房では、画像全体が黒く、同様に黒く映る病変の発見が困難になります。
検査に向く乳房のタイプ (※個人差があります) 脂肪組織が豊富にある乳房の検査に向いています。 乳腺組織が豊富にある乳房の検査に向いています。
利点 初期乳がんにおける石灰化の発見が可能となります。 カルシウムが沈着した石灰化を確認することが容易にできます。 検査に痛みや被ばくを伴わないため、検査の実施が容易です。 また、妊婦や妊娠の可能性がある時にも検査を受けることができます。
難点 乳房を圧迫するため、痛みを伴う場合があります。 20〜30歳代では、乳房の乳腺が豊富なため、病変部との区別がつきにくいことがあります。 レントゲンを用いることで多少の被ばくを伴うため、妊婦や妊娠の可能性がある時に検査を実施できません。 装置の性能や担当者の違いによる描出能の差があります。 石灰化の発見が容易でなく、形状や大きさを確認しにくくなります。 精密検査に繋がることが多く、不要な検査が増加する恐れがあります。

マンモグラフィに伴う痛みについて

マンモグラフィ撮影では、検査の被ばくを低減しつつ微細な病変を見つけるために、乳房を押さえて厚みを減らし伸ばすことを行います。そのため、圧迫による痛みが心配になることもあるかと思いますが、実際に乳房を押さえる時間は数秒〜長くても10秒未満です。ただし、痛みの感じ方は人によって異なり、乳腺が豊富な乳房の場合は強い傾向にあるとも言われます。また、乳腺が発達している方や、若い世代の方では、マンモグラフィよりエコー検査の方が向いている場合もあるため、検査の痛みが気がかりな方は、事前に専門医までご相談ください。

痛みの少ない検診を受けるために

生理が始まる前の約1週間は、乳房が張って、通常より痛みとして感じることが増える時期です。痛みの少ない検診を受けるためにも、生理の周期を考慮して受けることをお勧めします。

マンモグラフィと被ばく

マンモグラフィ検査もレントゲンを用いるため、少量ですが放射線被ばくが生じます。ただし、押さえて厚みを減らした状態の乳房だけの撮影を行うので、被ばくはかなり少なくなります。検査による被ばく量は、東京〜ニューヨーク間のフライトでの自然放射線の量と同じ程度しかありません。つまり、乳がん検診でマンモグラフィを受けても白血病などの病気になることは考えにくいと言えます。したがって、マンモグラフィ検査による被ばくの危険性の小ささと早期に乳がんを見つけることが可能であるという利点を考慮すると、定期的な乳がん検診が推奨されます。

検査費用

保険診療

検査内容 料金
診察・マンモグラフィ・超音波 約3,600円
診察・マンモグラフィ 約2,600円
診察・超音波 約2,000円

自費診療

検査内容 料金
診察・マンモグラフィ・超音波 12,000円
診察・マンモグラフィ 7,000円
診察・超音波 5,000円